女性ドライバー

吉田 房子


昔、日本ではドライバーの危ない順序を、、1姫 2虎 3ダンプといったそうである。
1は女性ドライバーの事、2は酔っ払い運転、3はトラック、ダンプカーの事である。
女性ドライバーが酔っ払い運転の男性よりも危ないとは恐れ入るが、前述した怖がってる女性ドライバーは一緒に乗っているとたしかに怖い。
それとずいぶんなれた女性ドライバーでも、男性と女性ドライバーのどちらが安心していられるかというと、これはやはり、男性の方がまかせて運転してもらえる。
女性の場合は熟練していても、貴方の為に運転してあげてるという意識が強いのか、目的地をあらかじめ、地図やその他で調べて、自分自身が解って運転している人が非常に少ない。あるとき、知人の女性にマンハッタンに車で連れていって貰った事があるが、私は2度とこの人の車に乗るのはよそうと決心した事がある。
マンハッタンで運転中に「次はどっち、早くいわないといけないじゃないの、そら、もう通りすぎてしまった。次は?早く早くあーもうだめ」というぐあいである。
私はその頃こちらにきたばかりで、マンハッタンにそうしょっちゅう来るわけでもなし、まして、どのとうりが一方通行でどちらむきなのか、よく知らない。

あとで考えるとマンハッタンほど整然と町計画が出来ている所はそうざらにない。
住所さえわかっていれば、なんなくいける筈である。一方通行でも、だいたい奇数が東から西へ、偶数が西から東へと多少の例外はあっても、整然としている。
彼女はスカースデールから、しょっちゅうマンハッタンに出かけるし、何十年もこちらにいる人である。
今、考えると、どうも不思議であるが目的地の住所さえ解っていれば、あそこは奇数だから東からしか入れない、そうするとどのアヴェニューを下ってどこで曲がるかという事は自然にきまってくるはずである。
それを運転者が自分で判断して運転しないと、曲がるの、曲がらないの等と聞いていたのでは危なくてしょうがない。
それに女性ドライバーの方が男性に比べてはるかに運転中の言葉がきたない。
運転者に対しては
「みてよ、あの馬鹿がまたあんな事をして何だと思っているのかしら?ぶつけて死んじまえばいいのよ」歩行者にいたっては 「何をもたもたしている、婆さん曳き殺すよ」とくる。
運転中に怒っているドライバーは女性のほうが男性よりもはるかに多い。
たぶん女性には余裕がないのではないかと思う。またある時、他の女性ドライバーとマンハッタンで、一緒に食事をしましょうという事になって、私は助手席にのっていた。
彼女はストリートでパーキング場所を探していたのであるが、私が「あーあそこにある、」と何回見つけても通り過ぎてしまうのである。目的のレストランより、はるかに遠ざかるので私は「確かにあったのだから、戻りましょう」と提案したのであるが、彼女は頑としてだめという。
どうしてと聞くと長さが足りないという。そんな事はない、2番目の場所ならどんなにパラレルパーキングが下手でもあまるほどスペースがある。
すると彼女はパラレルパーキングをするのは嫌だという。どうしてかと聞くと、縦列駐車は出来ないからという。縦列駐車が出来ないどころか彼女はバックする事さえ出来ない。だから頭から、入っていける場所で前進だけで止められる所を探しているのだという。
そんな!マンハッタンでそんな所を探す等という事が可能なのかどうか知らないが、駐車出来てもそこからタクシーに乗らなければならないだろう。
それでも何とかそういう場所を探して、そこから延々と歩いた。彼女がタクシーに乗る事を嫌がったからである。大変浮世ばなれした話しであるが20年以上前とはいえ、彼女はどうやって、NY州の免許をとったのであろう。それから私は彼女の車に乗る事を敬遠している。
女性ドライバーの事ばかりでは不公平であるから、男性ドライバーの初心者の事にふれる。昔、私がまだ若い頃、友人が免許をとって、車を買った。自家用車がまだめずらしい頃で彼は得意で週末になるとドライブにさそってくれた。都心から郊外にいって、自然にふれようというわけである。ところが私は1回でこりてしまった。
高速道路をすいすいと走るどころか、普通の込んだ道をいつもトラックかバスの後ろについて走るのである。彼はどうしてトラックの後ろが好きなのかその時は判断に苦しんだが、今考えてみると彼は車線変更が出来ないのである。少しは出来るのであろうが込んでいる所を抜け出せるだけの技量がないのである。郊外で自然に接するどころか、日光にてらされながら、一日中、目の前のトラックか、バスのおしりを見ながら、ガソリンくささに辟易して帰って来た次第である。
後日、その話しを私の友人にすると彼女は
「そんなことぐらい、まだいいほうよ、昨日、私は友人に車で送ってもらったのだけど、家の近くの狭い道で、彼どうしたと思う?狭い道に電柱がたっていて、それにぶつかると思ったのか車の窓を開けてその電柱を手で押したのよ、信じられる?私もう絶対にあの人の車には乗らない」
まあ、初心者に関しては女性でも男性でも大差はないという事でしょうか!


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